第三章
敵の動きは読めていた。
刹那、リザルフォス目掛けて放たれたのは青い稲妻。しかし手を翳していたのはラディスではなく、あのカービィである。
「なっ……」
見るのは初めてだった。
カービィはいつの間にか自分と同じ服装、髪型になっており、その特殊能力でさえもコピーしていたのだ。……もしかして。
「これが」
「そっ。僕の能力はね」
カービィは腕を下ろし、振り返る。
「対象に口付けることによって、独自の能力をコピーすることが出来るんだよ」
――口付け?
「じゃあ、クレシスが怒っていたのは」
「あー。そういえばそうかも」
先日のトーナメントでクレシスはカービィと対戦し、敗北していた。
どうやらクレシスは彼の口付けによる能力コピーで乱心、結果、攻撃が読まれやすくなって負けてしまったらしい。
……そりゃあ、あいつなら怒るよな。