第三章



ばちばち、と電気の擦れる音がして。

次の瞬間カービィが見上げていたそいつは、青い稲妻によって体を弾き飛ばされた。

それでも難無く受け身をとって威嚇する辺り、魔物はタフだと思う。だからこそ、自分も仕留めきれなかったんだけど。

「って、ラディス!」

カービィはきっと睨み付けて。

「なに考えてんだよ! 僕は」
「駄目だ」

まだ全快したわけではないだろうに、ふらりと立ち上がるラディスに苛立ちが募る。

「君を死なせたくない」
「こんなヤツ、一人だって戦える!」
「だからってぼろぼろだろ」

カービィはますます顔を顰めた。

「戦って、一緒に帰ろう」

リザルフォスが襲いかかってこない内にラディスはカービィに近付き、手を取って。

「何処にだよ……」

カービィは荒々しくその手を払う。

「何の為にだよ!」


いつだって一人だった。

それは覚悟し、望んできたこと。だってそうだ。ただの情では何も守れない。


だから、僕は――
 
 
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