第三章
分かってもらおうなんて思ってない。
ただの気まぐれだ。カービィは先程よりも歩行速度を落として、口を開く。
「いつ頃だったっけな」
――あれは今から何十年も昔の話。
星の力を持った戦士として生み出された自分は、『彗星団』という宇宙を股に掛ける戦闘部隊に属すことになった。
自分の運命なんて分かりきっていた。
生まれつき与えられた才能を、何の意味もなく息を切らしながら、誰かも分からないものの為に振るい、そして――繰り返す。
期待なんかしていない。戦士なんてそんなものだと割り切っていた。だから。
誰とも関わりたくなかったのに。
――お前、つえーよなぁ!
物好きな男が話しかけてきた。
それほど強い奴でもなかったけど、決して嫌な奴ではなく。馬鹿で、仲間想いで、自分が戦士であることに誇りを持っていて。
……それが、僕には羨ましかった。