第三章



――これは自分が決めたことだ。

それでも、彼らを羨ましいと思うことはあった。けど、僕だってもう馬鹿じゃない。


あの日の、過ちだけは。


「カービィ」

名前を呼ばれ、はっと顔を上げた。

人差し指で暗闇の先を指差され、目を凝らす。のそのそと歩いてくる、二つの影。

「……リザルフォス」

カービィがそう呼んだ影の正体は、緑の鱗に覆われたトカゲだった。

後ろ足で立つそいつの大きさはカービィと然程変わらず、それぞれ片腕に防具を装備している。ここに住み着いた魔物か。

「詳しいな。知っているのか」
「ま、長生きだからね」

するとカービィは壁際まで歩いていき、屈んで、ラディスを地面に下ろした。

「さて。こいつら、簡単には通してくれそうもないし……あんたはそこで見てなよ」

カービィはくすっと笑って。

「お兄さんがさくっと片付けてあげる」
 
 
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