第一章
「俺はファルコ。そいつはフォックス」
「宜しく」
自己紹介を始めたのはファルコという男の方だった。青年、フォックスも紹介されるとラディスににこりと笑いかけて。
「君は……」
「ラディス・フォン」
涼しい、春の風が吹き抜ける。
金色の髪を靡かせて優しく笑う彼に、決して変な意味ではなく。フォックスは何となく、運命というものを感じていた――
天空大都市レイアーゼ。
空高く浮かんだこの都市の町外れ、エアポートにあの飛行機は既に着陸していた。
遅れて到着したフォックスとファルコも、邪魔にならないように自機のアーウィンをエアポートの端の方に停めて。
ハッチを開き、彼ら二人が出てくるタイミングで、ラディスもウィングから下りる。
「っとと……」
足下がふわふわする。
「おいおい。大丈夫かよ」
覚束ないラディスに、ファルコは笑って。