第三章
「僕はこの声で、友人を殺してしまった」
ヨッシーは自分の喉にそっと触れて。
「今更、誰が信じるんですか。……繰り返したくないんです、怖いんです! だったらいっそのこと、口を閉じるしかっ」
辛そうに眉を寄せて。
「ないじゃ、ないですか……」
――彼が恐れているのは、その先に待ち受けている結果だ。それはかつて、兄に打ち明けられずにいた自分と酷く似ていた。
失いたくない。その一心で。
「……それじゃ駄目なんだよ」
ルイージはヨッシーの肩を掴む。
「伝えるんだ。今度こそ、君の声が誰かの助けになるように……叫ぶんだよ!」
ヨッシーは目を開いて。
「っ、でも」
不安げに瞳を揺らす。
「分からないじゃないですか。僕の言葉が、本当に正しくて、助けになるかなんて」
ルイージはぎゅっと肩を掴んで。
「信じるよ!」
怯える彼を真っ直ぐに捉えて、繰り返す。
「仲間なんだ、当然だろ!」