第三章
ファルコの肩にぽんと手を置いたのはルイージだった。その目が語っている。
ここは僕に任せて、と。
「……ヨッシー」
舌打ち混じりに荒々しく突き放し、離れるファルコ。入れ替わるようにルイージはヨッシーに歩み寄って。未だ顔を俯かせる彼の肩を抱いて、その場に腰を下ろす。
「どうでもよかったわけじゃないだろ?」
ヨッシーは小さく頷いて。
「なら、どうして」
「僕だって! 本当は!」
肩を震わせ、ぐっと拳を握り締める。
「っ……本当は……」
ルイージは悟った。彼が心の中で抱いている闇が、本音を妨げているのだと。
「よかったら、話してもらえないかな」
ヨッシーは黙っていた。
それでも問いただすような真似はせずに待機していると、彼はやがて、口を開いて。
「……僕が悪いんです」
――忘れもしない、あれは嵐の夜だった。