第三章
「くっ」
結局、ヴァルバジアは攻撃を仕掛けることなく別の大穴に向かって降下し、そのまま飛び込んで。ファルコはその大穴へ駆けつけると、内部へ向かって発砲。
「……ああ、びっくりした」
ルイージはほっと胸を撫で下ろした。
「どう? ファルコ」
「いんや。掠めはしたが堅すぎる」
ファルコは拳銃をホルスターに仕舞って。
「そっか……」
どうやら逃げられてしまったようだ。
「にしても、よく分かったね」
結果的に助かったよ、と微笑するルイージにヨッシーは目を逸らす。ちらっと視線を送り、やがておずおずと口を開いたが。
「……ぃ」
聞き取りづらい、小さな声だった。
「息が、……聞こえて。その、それで」
成る程ねと腕を組むルイージに対し、近くで話を聞いていたファルコは頭の中で生じた疑問が解けて。ぱっと目を走らせる。