第三章
その頃、ラディスとカービィが落ちたとされる山頂付近の大穴の近くで、三人は待機していた。あれから、何も現れない。
「……出てこねーな」
ファルコは手で首元を扇いで。
「迎えにいった方が早かったりして」
そう言って立ち上がるルイージを、ファルコも「本気かよ」と笑って止めようとしない。ヨッシーの肩がぴくんと震えて。
ルイージが向かったのは別の大穴だった。
近くから覗き込んでみるつもりだったのだが、不意に袖を引かれて。ルイージが振り返ると、そこにはヨッシーの姿が。
「……?」
次の瞬間である。
「え、」
咆哮と同時に穴から空高く噴き出したのは真っ赤な炎だった。直後に穴の中から竜、ヴァルバジアが飛び出して。
「っこいつ!」
飛翔し、飛び回るそいつを正確に撃つのは至難の技だった。ファルコはすかさず構えた拳銃で発砲を試みるが、命中せず。