第三章



「あんた、最高にかっこ悪いよ」
「だ、だよな……」

ラディスは腰を痛めていた。

原因は知れているが、あれでもカービィが突き放したりしなければ体勢を崩して地面に腰を打ち付けることもなかったのだ。

だからといって、咎めはしないが。

「……重くないか?」
「じゃあ一人で歩けんの?」
「い、いえ」

手を貸してくれるだけでいいと言ったのに、それじゃ敵から逃げる時にお荷物だと返され、結果、背負われることに。

それでも、居心地は悪くなかった。

「……ちょっと」

首と肩の間に顔を埋めると、案の定そんな声が返ってきて立ち止まった。

「何してんの」
「いい匂いがするなぁ、と」
「気持ち悪いこと言わないでくれる?」

落とされ兼ねない口振りだったが、

「いつも美味しいもの食べてるからかな」

そう返してみると。

「……別にそれ、シャンプーだと思う」
「ああ」

カービィは再び歩き出した。
 
 
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