第三章
「もしかしたら、あの一撃で僕は死んでたかもしれないんだよ。それなのにさ」
カービィはラディスを睨み付ける。
「自分まで飛び込んで、バカじゃないの? それに僕が飛べるってこと、知ってるっしょ。これも仲間の為ってわけ?」
発言し、酷く苛立ちを感じている様子の彼を、ラディスはじっと見つめていた。
「何度も言わせないでよ。格好付けで死ぬかもしれないってこと、分かんないの?」
「構わなかったさ」
そう返して微笑を浮かべるラディスに、カービィは暫し呆気に取られてしまい。
「それで、誰かの為になろうとした自分がいる。俺はそれを、恥だとは思わない」
――変なヤツ。
カービィはふいと目を逸らして。
「何それ。アホらし」
「寧ろ、かっこいいと思わないか?」
「全っ然。きもい。へどが出そう」
「そ、そこまで……」