第三章
「……?」
此方に背中を向けて地面に横たわっているラディスは、何故か一言も返さない。
嫌な予感がしたのだ。
「え、ちょっと……冗談やめてよ」
まただ。あの日の光景が重なる。
ゆっくりとにじり寄って、その手を伸ばしたがふと止めた。静かに息を呑んだカービィの顔からは血の気が引いていて。
「っ……い、たた」
不意にラディスは声を洩らし、ごろんと仰向けになった。カービィは目を細めて。
「死ぬかと思っ」
「そのまま死んじゃえば?」
カービィはすっと立ち上がると、憂さ晴らしにラディスの横腹を爪先で蹴った。
「……だいぶ落ちてきたみたいだな」
ラディスは遠くに見える穴とその先の空を見上げて、視線をカービィに移した。
「何で、あんなことしたのさ」
カービィは彼より少し離れた位置に腰を下ろし、ぽつりと口を開いて。