第三章
「っよし」
大穴に飛び込んだラディスは、ようやくカービィの手首を掴んだ。ぐいと引き寄せ、彼の背中に腕を回して目を凝らす。
――熱気は感じない。暗いが、だからといって何もしなければ地面に墜落死か。
それだけは避けなくては。ラディスはもう片方の手を真っ直ぐと下に向かって伸ばすと、得意の稲妻を勢いよく放った。
「ん……」
その頃、カービィはうっすらと瞼を開いて。意識を取り戻したのである。
――油断した。あの一撃で意識を飛ばすなんて。カービィはぼんやりと空を見つめていたが、次第に頭がはっきりとしてきて。
「カービィ?」
その声にカービィははっと目を開いた。
「よかった、目が覚め」
「離せ!」
咄嗟に口から出てきたのは感謝の言葉などではなく、カービィは無理矢理ラディスを突き放した。が、ラディスは。
「危ない!」
迷わずその手を掴み、抱き寄せて。