第三章
「落ちたのか!」
「え、ぁ、だって」
「何で止めなかった!」
「ちょっと」
詰め寄るファルコの肩を掴み、静止を試みたのはルイージだった。しかし、そんなルイージの配慮さえファルコは振り払って。
「うるせえ!」
「落ち着きなよファルコ」
「ぼ、」
ヨッシーは相変わらずはっきりしない口調で、目を合わせないまま言葉を紡いだ。
「僕は……止めようとしたんです」
でも、この手は届かなかった。
「……だから何だよ」
ファルコは眉を顰めて。
「それで自分は悪くねえって言い張るつもりかよ。動けなかっただけだろうが!」
ヨッシーは顔を俯かせる。
「すみません……」
「お前がそうやってはっきりしねえから」
「ファルコ!」
ルイージはぴしゃりと名を叫んで。
「……すみません」
ヨッシーは震えていた。
「ちっ」
ファルコは二人が落ちたという大穴を遠目に見つめて。――次に出てくるのは。
仲間か、それとも。