第三章
次の瞬間だった。
カービィのすぐ後ろの大穴から赤みを帯びた巨大な竜が咆哮し、飛び出したのだ。
「な、」
振り向く。が、反応が遅すぎた。
横に払われた竜の尾が直撃、カービィは防御する隙も与えられず弾き飛ばされて。
「カービィ!」
「ちっ、出やがった!」
事態に気付いたルイージが声を上げ、ファルコは拳銃を構えた。狙いを定めて数発撃ち込んだが、対する竜は再び咆哮。
「効いてねえのか……!?」
竜は火の粉を散らしながらファルコとルイージに襲いかかる。ぎりぎりまで引き寄せ、二人はそれぞれ横に飛び込み、躱して。
「くっ」
ラディスは駆け出した。竜によって弾き飛ばされたカービィが、今しがた大穴の中へ落ちていくのを目にしたからだ。
さっきの一撃で体が上手く機能しないのかもしれない。――なら、助けなくては。