第一章



「おい……」

男は不審に思っているようだった。

すぐにでも振り落としてやりたいところだが、まだ確定したわけではない。

「……俺達も」

青年は目の色を変えて。

「職業柄、そういう不審な行動は見逃せないんでな」

最後、息を吸って青年は言葉を紡ぐ。

「――DX部隊として」


DX部隊とは、天空大都市レイアーゼに拠点を置く、優秀な戦士(ファイター)を集めた特殊防衛部隊のことを指している。

レイアーゼは数ある都市の中で最も文化が発展している、謂わば未来都市。

この星の中枢であり、百の知識を持って千の歴史を管理すると言われるほどだ。

その為レイアーゼだけは管理が徹底されていて、DX部隊も数ある部隊の内の一つに過ぎない。が、決して“同じではない”。


情け容赦は許されないのだ。

レイアーゼの誇りを胸に、一心不乱に刃を振るう。それこそ、己の命が尽きるまで。


それがDX部隊に与えられた使命――
 
 
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