第三章
デスマウンテンまであと少しだ。
それにしても、山道で小型の魔物と戦う可能性も視野に入れていたのに、一匹も見かけないとは。まあ、好都合ではあるが。
「……ヨッシー、どうかしたのか?」
さっきまで生き生きとしていたのに、何故か視線を落として黙り込んでいるヨッシーに、ラディスは声をかけた。
「え……」
ヨッシーはぱっと顔を向けだが。
「あ、いや、何でもないんです」
そう言って最後、再び視線を落として。
「すみません……」
ようやく辿り着いた。
竜を封じる為だとかで、デスマウンテン内部へ続く入り口は大岩で閉ざされている。
つまり、ここからは観光用の階段を使って山頂を目指すしかない。せっかくの獲物だ、竜だって顔を出してくれるだろう。