第三章
「俺、暑いの苦手なんだよ」
ファルコは溜め息を吐き出して。
「好きな人間がいるのか?」
「いや、」
「焼き鳥になっちゃうからでしょ」
くすっと笑って、カービィ。
小さく舌打ちをするファルコを見て、ラディスは納得。そりゃ嫌にもなるよな……
「そういうことは言うもんじゃないよ」
「だって本当のことだしぃー」
案の定、カービィに反省の色はなく。
「ファルコさんは鳥じゃないですよ!」
否定したのは意外にもヨッシーだった。
「煮ても焼いても食えない奴ですから!」
「馬鹿にしてんのか」
ファルコは頬に青筋を浮かべて。
「すっすみません……」
「確かに、怒ると手に負えないな」
「あ、そうじゃないです」
ヨッシーは人差し指を立て、にこやかに。
「食すには肉が足りないなあ、と」
沈黙が訪れる。
「……あ、出汁くらいはとれますかね」
「か、帰ろうな! 絶対に帰ろうな!」
「何で必死になってんだよ!」
「彼は食いしん坊だからね……」
「あーもう! やめろ、馬鹿!」