第三章
カカリコ村。入ってすぐ、一本樹の下で話していた男二人が此方の存在に気付いた。
何故かルイージをちらりと見つめて。
「……おい、もしかして」
「馬鹿。よく見ろよ」
「だよな。髭面とは聞いてねえや」
ああして男二人はこそこそと話しているが、残念ながら丸聞こえである。
「むっ……」
ルイージはむすっとして。
「あの、すみません!」
ラディスは一歩前に出て声をかける。
「デスマウンテンへ向かうには何処から」
「君たち、あの山に行くつもりかい?」
男二人は顔を見合わせて。
「……やめた方がいい。今、とても恐ろしい魔物があの山で暴れているんだ」
どうやら、今回の任務を依頼したのは彼らじゃないらしい。ラディスが困っていると、ヨッシーがくいくいと袖を引いて。
「あのぅ」
ラディスは振り向く。
「た、多分……デスマウンテンは、こっち……階段登った、先だと思います……」