第三章
「ひぃあああっ!?」
ラディスはびくっと肩を跳ねさせて。
屋敷から飛び立って間もなく、ルイージは意識を取り戻した。激しい風を受け、のっそりと体を起こしたルイージだったが、
「そそそっ……空、とと、飛んで……」
一面に広がる青い空をはっきりと目にした途端、これだ。ラディスの腕にぎゅうとしがみつき、がたがたと震えている。
「大袈裟だなぁ……」
「ら、ラディスが特殊なんだよ!」
ラディスは苦笑いを浮かべて。
「ひいっ!?」
その時、急に機体ががくんと傾くのだからルイージは声を上げた。すぐに平行に持ち直したが、ラディスはファルコを見つめ、
「こら。あまり意地悪をするなよ」
ファルコはくくっと笑って。
「バランスが取りづれーんだ。わりぃな」