第三章
ラディスが朝食を終えたのを確認すると、マスターは一枚の紙を取り出した。
何だろうと目を見張っていると、フォックスが気を利かせたのか空っぽになった食器を重ね、下げるべく返却口へ向かって。
「あっ」
「本題に入らせてもらう」
マスターはテーブルの上に紙を広げる。
「DX部隊、最初の仕事だ」
依頼届だった。それとなく目を通してみると、依頼人は小さな村の村人らしい。
「下界、ハイラル地方にあるデスマウンテンという火山を知っているか?」
聞いたことがあるような、ないような。
「近頃、そこの火山活動が活発になってきているらしい。噴火の恐れもある」
「近くには村もあるのか……」
ラディスは依頼届をじっと見つめる。
「……でも、近い村なら噴火の対策くらい立てているはずだろう? それをわざわざ此方側に依頼するということは、」
マスターはにやりと笑って。
「察しがいいな」
――依頼の内容はこうだ。
デスマウンテンに住み着く竜が長い眠りから覚め、暴れている。このままではいずれ村に下り、人を襲うかもしれない。
どうか、竜を静めてほしい。