第二章
一方、マスターは暫らく機械の操作をしていたが、データの読み込みが完了したのかカートリッジのようなものを抜き出して。
「――にしても、意外だね?」
さっさとその場から退散しようと振り返ったマスターに、カービィは声をかけた。
「あんたにも情があったなんて、さ」
マスターは短く息を吐き出す。
「……双子の兄弟だったからな」
すっと横切るマスターを振り返り、バトルルームを出ていく様を見送って。
「分かんないヤツ」
バトルルームからさほど遠くない位置に、マスターの部屋はあった。
扉を開き、そのまま真っ直ぐ進んでパソコンの電源を入れる。薄暗い部屋の中、マスターは立ったままキーボードを操作して。
先程のカートリッジを挿し込み、データを読み込ませている最中に携帯が鳴った。
手を止め、ポケットから取り出す。