エピローグ



……変なの。

「どうしたんだ?」

訝しげにしながらアーウィンに近付くと案の定フォックスが怪訝そうに見つめて声をかけてきた。

「ええっと」

その質問こそさっきのウルフに飛ばしてもらいたいところだが。

「た、たまにはフォックスと一緒に行きたいなあ、なんて」

苦笑いを浮かべながらルーティが言うとフォックスは途端に目を輝かせて、

「本当かっ!?」

両肩を大袈裟にガシッと。

「う、うん――」
「ちょうどよかった! 少し前にアーウィンを洗浄したばかりだったんだ!」

そうなんだ、とルーティが対応に困っているのも構わずフォックスはさあさあと嬉々としながらルーティの背を押して。

「……ウルフの奴」

傍にいたファルコはぼそっと呟いた。

「何か言ったか?」
「いや――」

不敵に口元に笑みを浮かべて返しつつ。ファルコはハッチの開いたアーウィンにひょいと乗り込んで。

「気が変わった。今回は寄り道してから合流する」
「寄り道って何処に行くんだ?」
「別に何処だっていいだろ」

素っ気なく、ではなく清々しいような様子で返して最後に。

「空は広いんだからよ」
 
 
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