第二章
和やかな空気の中、二回手を打って、静止させたのはマスターである。
「……このトーナメントの本来の目的を、忘れてはいないだろうな」
マリオはそっとルイージを離して。
このトーナメントでの目的は、制覇した人間がDX部隊のリーダーになるというものだった。優勝したのは、マリオである。
「そのことなんだが」
マリオはとある人物の元へ。
「俺は、彼をリーダーに推薦したい」
暫しの沈黙の末、
「はいいっ!?」
声を上げたのはラディスだった。
「別に構わないが」
「じゃあ、それで頼む」
「な……え、あっ……なんで……」
勝手に話を進める中、困惑している様子のラディスにマリオは笑いかける。
「確かに、勝ったのは俺だ。でも、正しいのはお前だった。それじゃあ駄目か?」