エピローグ
ざっと見渡しても正装しているのは元DX部隊のメンバーだけだった。
それもそのはず。今日という日が何の日であるかは彼らしか知らないのだから。
「なんやこんだけおると賑やかやなぁ」
「ま、去年まではバラバラに行ってたしな」
なぁマルス、とロイが話を振るがつんとして無視。
「こんなにぞろぞろと行くものじゃないと思うけどね」
「いいじゃねえか。変にしんみりするよりあいつも喜ぶと思うぞ?」
「喜ぶというかびっくりするんじゃないかな……」
あはは、とルイージは苦笑いを浮かべて。
「そのサイズしかなかったのデス」
相変わらずの淡々とした口調だが何処か申し訳なさそうにいうのは苦しくないようにゲムヲのネクタイを緩く締めるロボットである。見ればゲムヲも正装ではあるが誰より小柄であるためか(主に)袖が余ってしまっている。
他と比べて不恰好だが反してきょとんと首を傾げている辺り、本人は然程気にしていない様子。
「皆さん揃いましたかぁ?」
ヨッシーが確認を取る。
「正午過ぎには戻ってきますから食事は各自でとられてくださいね」
「一応、冷蔵庫の中にも適当に作ったもの入れといたけど喧嘩しちゃ駄目よ?」
「分かってるって、心配性だなぁ」
ディディーとトゥーンは笑って。
「では出発しますよぉ!」
「いってら、」
「ちょっと待ったぁ!」