エピローグ



ユウはこほんと咳払い。

「……いわゆる墓参りだ」
「そうなんだー」

にこにこと。

「誰の?」


――暫くお待ちください。


「いきなり叩くなんて酷いよ、ユウ……」

そこには立派なたん瘤を頭に抱えて蹲るルーティの姿があった。

「当たり前だ」

ユウは拳を握ったまま、

「お前みたいな奴を親不孝者と言うんだ」
「な、何のこと……」
「此の期に及んでまだ分からないのか」

溜め息をつかれましても。

「ちょっとユウ。ルーティが分からないのは当然じゃない」

おずおずと顔を上げるとそこにはユウを叱るリムの姿があった。

「あの時はまだ二歳だったのよ?」


……あ。


「それって」

ルーティがそろりと立ち上がるとリムは微笑んだ。

「貴方のお父さん。今日はラディスの命日よ」
 
 
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