エピローグ



◆エピローグ



たくさんの物語を知った。

そこには共にここまで歩んできた仲間たちの知らない姿があった。


同じだけ。たくさんの想いを胸に抱えていた。


勝利に固執した人。過去にあった選択の過ちを恐れて他人を突き放そうとした人。生まれつき宿された誇りや運命を呪い、逃れようとした人。嘘を恐れるあまり誰も信じられなくなった人。中途半端な正義を胸に孤独の中で戦ってきた人……

寂しかった。がむしゃらに生きる彼らが。


そんな彼らの救いが。

……僕の父さんだったんだね。


「ん……」

小鳥の囀りとカーテンの隙間から射し込む朝日に知らせを受けて。ルーティは重い瞼をゆっくり開いて目を覚ます。……ああ。どうしよう。

眠い。 

向かいのベッドでフォックスがウルフに話していた内容が気になって気になって、聞き耳を立てていたら全然眠れなかったよ!

どうせ依頼も何もない日なら二度寝を決め込むつもりだったけれど少し意識を手放していた隙にウルフもフォックスも居なくなっている。さすが、大人になると徹夜なんてどうってことないのかな。

ルーティは少しの間瞼を閉じていたが、むくりと起き上がると布団を捲った。このまま寝てしまったら次に起きるのは正午だ。せめて朝食さえ済ませてしまえばそれからはまたすぐある昼食のために起きていられるだろうし。

自分の中の習慣性を利用するんだ! 

よし! 起きよう!
 
 
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