最終章
……それから一年の歳月が流れ。
「フォックス」
俺たちは。
「何を考えてたんだ?」
惑星フレイアム。森林都市メヌエルにある集合地点のエアポートにて特殊防衛部隊のメンバーとの合流を果たし、フォックスとファルコは自機のアーウィンに乗り込んで拠点となる屋敷がある天空大都市レイアーゼへ向かう途中だった。
「分かるだろ」
無線を通じてフォックスは笑う。
「……懐かしいなって」
実に十四年前。かつて戦場を共にした仲間たちとの久しぶりの再会に心浮き立つものはもちろんある。けれど執拗に絡みルーティの記憶を刺激してしまわない為にも暫くは距離を置いて悟られないようにしなくてはならない。
俺たちは何の為にまたここに集まった?
それは。他ならぬあいつとの約束を守るために。
「俺たち」
フォックスは静かにハンドルを握った。
「今度こそ守れるかな」
決意のすぐ側で渦巻く不安。ファルコは目を細めて。
「一人で抱え込むなよ」
はっと顔を上げる。
「お前だけじゃない。そうだろ?」
あの時と同じ。
だけどそこにはパートナーの姿があった。
「……ああ!」
ラディス。お前の守った世界は、意志は今日も息づいている。
どうか見守っていてくれ。
今度は。
俺たちが守るから。