最終章
通話の切れた携帯電話をぐっと握り締めて。
「……ファルコ! さっきの招待状は!」
「それならそこのゴミ箱に――」
言い終わるより早くフォックスは駆け出す。
「フォックス!?」
「あちゃー火が点いちゃったみたいだね」
「呑気なこと言ってていいの?」
スリッピーは首を横に降る。
「……ああなったらフォックスは止められないよ」
一方でフォックスは飛びついたゴミ箱の中、ぐしゃぐしゃになって捨てられていた手紙をその手に掴むと引き出した。封を雑にあけて取り出した一枚の紙には確かに特殊防衛部隊に関する大まかな説明と招待の内容が綴られていて。
「……特殊防衛部隊、X部隊……」
目で読んでいた内容を思わず口に出してしまいながら。読み終えるとフォックスは決心がついたのかくっと眉をひそめて。
「ファルコ!」
そのひと声で大旨察した。
「……高くつくぜ!」
ニヤリと笑って立ち上がるファルコにクリスタルは。
「男って分からないわねぇ」
「そういうもんさ」
ただ一人ペッピーだけは静かにコーヒーを啜ると密かに笑みを浮かべた。