最終章
こんなもんでいいのか。そこの防衛部隊ってのは。
「物好きなやつめ。貴様もついに少女に手を出すようになったか」
「あー、残念だけどこの子は男だよ」
レオンは興味も湧かない様子だったが反してウルフは狼の耳を跳ねた。
……そうだったのか。
「例え少女だったとしても俺は紳士だからね。その時が来るのを待つよ」
「それで、何に使うんだ。穴か?」
「人の話聞いてる?」
パンサーは頬に青筋を浮かべて。
「このぐらいの大きさなら実験動物としても最適だろうな。年は?」
「十六」
「くくっイイ声で鳴きそうだ……おい。手土産を忘れるなよ」
はいはいと返したパンサーは流しただけなのかそれとも。
「で。なんでその餓鬼のことであのキツネがキレてやがるんだ」
「えっ狐の旦那怒ってたの?」
パンサーは目を丸くしたがレオンは興味深そうに。
「それは面白そうだ。何を送ってやろうか……」
「レオンは何を考えてるんだ?」
「気にしてやるな。いつもの性癖だ」
長年付き合ってきた相棒をそんな風に言っていいものか。
ウルフは短く息を吐いた。……確かにあのキツネと餓鬼の関係は気になるがだから今すぐ答えが欲しいといった訳でもない。
まあいいか。どうせ自分とは関係ないのだから。