第一章



「駄目です」

その日の夜のこと。

リビングで寛いでいた子供組にあることをねだられたが、リンクは即断って。

「いいじゃんかぁ!」
「このままじゃ干からびるって!」

口々に訴えるはディディーとトゥーン。

しかし、手を伸ばす二人に届かせまいと、リンクはリモコンを高く掲げて。

「駄目ったら駄目です! ちゃんと水分を取っていれば干からびることはありません。だからクーラーは日中だけです!」


――そう。子供組とリンクは、クーラーを付けるか付けないかで揉めていたのだ。

何しろ、夏真っ盛りなので昼間だけでなく、夜も蒸し暑い。クーラーでがんがん冷やしたいが、リンクがリモコンを管理しているお陰で、クーラーを起動出来るのは昼の一時から夕方の五時まで。

しかも温度は二十八度。この星には優しい温度だが、人様には当然、優しくない。
 
 
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