第二章



その後の流れは坦々としていて、シャワーを浴び、髪が乾く頃には夜の十時を過ぎていた。それまでリビングで過ごしていたルーティは、部屋に戻ることにして。

「おやすみ、ルーティ」
「うん、おやすみ」

部屋に入ろうとドアノブに手を掛けたところ、フォックスが通りかかった。

就寝前の挨拶を交わし、フォックスが部屋に入っても尚ルーティは部屋の前に立ち尽くしていて。……実はそれほど眠くないのである。明日が楽しみだからだろうか。

自分もまだまだ子供だな、と心の中で苦笑してルーティは廊下を歩き出す。


夜風にでも当たろうと考えて、静かに玄関から外に出てくるとすぐ傍に生えている木によじ登り、別荘の屋根に飛び移る。

どうだ見たか! この運動神経!

……誰も見ていないことに哀愁を感じつつ、ルーティは屋根の上で立ち上がった。

その時。
 
 
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