第二章
「――そういえば」
食事も終盤に差し掛かった頃。
先に食べ終わったロイは皿を重ね、立ち上がるとまだのろのろと食べ進めているルーティを見つめて、とある疑問を口にする。
「特殊能力使ったらペナルティあんの?」
ルーティはフォークを口に銜えた姿勢のまま、固まってしまい。暫くしてフォークを皿の上に置くと、腕を組みながら。
「んー……色々迷ったんだけど」
ルーティのことだ。ペナルティといってもどうせ容易い……誰もがそう思っていた。
擽りとか、何とかの物真似とか。子供染みたペナルティに違いない。
「連帯責任ってことで」
ルーティはにこりと笑って。
「皆のあんな写真やこんな写真を全国ネットに流し、羞恥を晒すことにしました」
食堂がシン、と静まり返る。
「……どう?」
「いやいやいやアウトだろ」
青ざめながら突っ込むロイ。
「母さん、こんな悪い息子に育てた覚」
「んでお前は誰だよ」
話を聞いてわざとらしく泣き崩れるフォックスを、ファルコが踏みつけた。
――これで迂闊に特殊能力は使えないな。