第二章



初日はまったりと過ごしていたので、全員が完全に片付けを終える頃には夕方の五時を過ぎていた。夕飯時である。

いつもはウルフと食堂に向かうルーティだが、部屋が別々なので一緒に行こうと言い出せない。まあいっか。たまには。

「すっごぉーい!」

ルーティが食堂に入るなり、声を上げたのはカービィである。各テーブルに並べられたご馳走の数々。今日は誰かの誕生日だっけ、とルーティが考えていると。

「初日ですからね」

着ていた群青色のエプロンを脱ぎ、畳みながら奥から現れたのはリンクである。

「これからのバカンスに備えて、しっかり体力を付けてもらいたくて」

なるほど。毎度毎度、リンクの配慮には頭が上がらない。こういう場面を目にすると、やはりリーダーはリンクの方が……、いや。いくら何でもそれは考えすぎか。

前向きに生きようよ、自分。
 
 
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