第二章
「ね、この同人誌の女の子って、ピチカに結構似てると思うんだけど……ど」
「知るかぁ!」
一冊の同人誌を両手に迫るピーチを食い止めるべく、ディディーは枕を盾にしながら声を上げ、顔を出し睨み付けて。
ふと、ピーチが持っている同人誌の表紙が目に入る。『ときめき僕っ娘!』……何ともベタなタイトルだ。表紙に描かれたイラストは幼げで可愛い桃色の髪の女の子。
おまけにツインテール。ディディーの視線の先に気付いて、ピーチはニヤリ。
「あらそう。見ないならいいのよ別に。散々読んだし、捨てちゃおっかなー……?」
すると、見事罠にかかったディディー、枕を後ろに投げ捨てて同人誌をピーチの手から奪い上げる。すぐ、背中を向けて。
「……うっ。……つ、つかピチカはこんなこと言わねーし。もっと可愛いし……」
ぶつぶつと突っ込みながら、同人誌を読むディディー。当然、彼の顔は赤い。
「次はどの同人誌読ませようかしら……」
新しい仲間が増えそうな予感。