第二章
「ゼルダと一緒なんて緊張しちゃうなぁ」
ピットはまだ閉じたままの自分の荷物の入った段ボールの上に腰掛け、照れ臭そうに笑って。ゼルダは小さく笑みを溢し。
「私は緊張とかしませんわ。だって、ピットは女の子みたいに可愛いですから」
今のは褒められたのだろうか。
まあ、“可愛い”と言われるのは以前からそうだったし、慣れている。
「可愛いって……よく分かんないなぁ。具体的にはどこら辺、なんだろ」
ピットは疑問符を浮かべて。
必ずしも年相応には見られない、この童顔が原因だろうか。言動が関係しているのなら、直していきたい気もする。
「……全て、ですわ」
ぽつりとゼルダ。
「へっ?」
「さらさらな栗色の髪、茹で玉子のようにつるんとした頬。くりっとした飴玉みたいな瞳、桜色の薄い唇……っ全てのパーツが! お菓子みたいで可愛いんですの!」
ピット、口角をひくひくさせながら。
「あはは……よく見てるね。まさかボクのお風呂、覗いてたりして」
沈黙。
思っていた以上に、彼女のパートナーであるピーチの影響は大きいようだ。