第二章
夏といえば何が必要だろう。
日焼け止めや、痒み止め。着替えはもちろん、甚平や水着も。色々考えて買ったお陰で、思いの外片付けが大変である。
「ふぅ……」
普段から頭をフル回転させているお陰で、荷物を何処にどう片付けようか考えていると暑さも加えて急激に疲労が溜まる。
リンクはちょっと休憩をしておこう、とベッドの縁に腰掛けると、首に掛けたタオルで汗を拭い、短く息を吐き出す。
「……楽でいいですね。貴方は」
同室のオリマーはベッドに寝転び、自作のとある本を読んでいる。片付けは当然、手下とも言えるピクミンに任せていて。
「仕事を与えられることこそが彼らの至高だ。リンクも妖精に任せたらいい」
「よく知ってますね」
妖精、といえば普段は帽子の中に隠しているので、知らない者もいる。それを知っているのは恐らく、その本のお陰か。
「……秘密、好きですか?」
「嫌いじゃない」
「成る程」
誰々の秘密を自作の本に書き留めるのが趣味のオリマー。リンクはぽつりと。
「これは使えそうですね」
彼が寝静まったらこっそり見てやろう。