第二章
「ねー」
片付けを終えたローナは部屋の窓を開き、そこから入ってくる潮風に髪を靡かせ、晴れ渡った青い空を眺めながら。
「リュカの保護者ってだぁれー?」
子供組は将来有望な能力を持った子供の集まりなので、力を制御させる為にもそれぞれに保護者が一人、付いているのだ。
「えっと……リオン、だよ」
洋服を綺麗に畳んで段ボールに詰めていたリュカは、その手を止めて応えて。
「へー、どんな感じのー?」
難しい質問である。
リュカはどう応えようか悩み、片付ける手が止まったまま空を見つめ、口を開く。
「……僕、超能力を扱うのが下手だからサポートしてくれてる。リオンは心が読めるから、とりあえず精神力を極めろって」
意外と本格的だな、とローナは感心。
「例えば何するのー?」
「……言葉攻めに耐えたり」
「え」
ローナは驚愕し、振り向いて。
「後は……指示通りに色んなコスプレをしたり、猫や犬の真似をしてみたり」
「それ」
ローナは口角をひくひくとさせながら。
「絶対騙されてるって」