第二章



「死にたい」

ルイージは部屋の隅に自分の荷物が入った段ボールを寄せて、膝を抱えながら。

「死期だよね、死期が近付いているんだよねこれ。どうせなら冬に死にたかった」

ネガティブな発言連発。

……それもそのはず。彼はよりによって一番のハズレクジとも言える、ガノンドロフと同室になってしまったのだから。

「朝起きて、冥界だったらどうしよう」
「おい」

ぶつぶつと呟いていたルイージがふと顔を上げると、そこには腕を組んだガノンドロフがじっと見下ろしていて。

「はひっ!」

急いで後退しようとするもすぐ後ろが壁で、壁に後頭部を打ち付けて。頭を抱え、涙目になってがくがくと震えていると。

「日焼け止めは持っているか?」
「……え」

貴方、元から黒いのに何に使うの。

兄直伝のツッコミ術を解放したい衝動に駈られながら、ルイージは苦笑していた。
 
 
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