第二章
「えっ、DVD?」
レッドは頭の上に疑問符を浮かべて。
「そっ。後で一緒に見ないかい?」
マルスは段ボールの中からDVDを取り出し、にこりと笑って。ちなみにこのDVDの内容は夏らしく、怖い話の詰め合わせである。
「俺、怖いの好きじゃないんだけどなぁ」
苦笑を浮かべるレッド。しかし、怯える姿を拝むのがマルスの目的なので、マルスはレッドににじり寄ると、肩を組んで。
「大丈夫。そんなに怖くないから」
「……じゃあ見ようかな」
何とまあ単純な流れである。
リンクなら不適な笑みを浮かべるだろうし、アイクなら無関心。ロイなら本気で嫌がり、メタナイトは……どうだろう。
とにかく、普段一緒にいる剣士組と違ってレッドの反応はまさしく“普通”なのだ。
「レッドって一般人なんだね」
「へっ?」
本人に自覚が無いのはよくあるパターン。