第二章
「……なあ」
それまでせっせと段ボールの中から必要な荷物を取り出していたファルコは、ぴたりと手を止めると振り向いて。
「片付いたのか?」
そこにはファルコの後ろの方で床の上に胡座をかき、じっと見つめるアイクの姿が。
確かに減りはしないし、いくら見たって構わないのには間違いないが、こうも見られているのでは少し落ち着かない。
「……まだ片付いていない」
「手伝わねーぞ」
「分かっている。……ただ」
アイクは膝の上に頬杖を付きながら。
「旨そうだな……と」
一瞬、ファルコは自分の顔が熱くなるのを感じたが、不完全燃焼に終わった。
「てめっ」
ファルコは段ボールを盾にして威嚇。
「……冗談だ」
「冗談に聞こえるか! 肉オタク!」
「美食家と言ってもらおう」
立ち上がり、何故か胸を張って威張るアイクに、ファルコは段ボールを投げ付けた。