第一章



ばちばち、と電気の擦れる音がして。

男がそれに気付いた時にはもう遅く、ルーティから青い稲妻が放たれて。感電した男は思わず、ルーティを解放してしまい。

――その瞬間、ルーティは振り向き様に右足の甲で男の左脇腹を回し蹴り。よろめいたところを追い討ちをかけるように、左足で床を蹴って軽く飛び上がり。

空中で横に反転、今度は左足の足首後ろで男の首後ろを力強く蹴り付ける。その動きは実に素早く、数秒の間に行われて。

「世界を救った、僕らのリーダーだから」

カービィがそう台詞を言い終える頃には、男は計二発の攻撃にその場で両膝を付き、倒れてしまい。遅れて、ルーティは床に右手と左膝を付いて華麗に着地。

容姿からその身の熟しを想像出来ず、その場に居合わせたカービィ以外の人間は全員、固まってしまっていて。

ルーティは立ち上がり、振り返ると。

「警察。……お願いします」
 
 
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