第二章
サムスは床を強く踏み鳴らして。
「いい? この部屋で私に半径一メートル以内に近付いたら……殺すわよ」
そう言うサムスの手には本物の鞭が握られていて、バシッと床を叩いて脅迫。
「……ってお前は女王様か!」
今まで黙って聞いていたマリオだったが、段ボールの中からハリセンを取り出すとツッコミを入れるべく踏み出して。
「ストップ! 後一歩出たらアウトよ!」
「動けないだろ!」
サムスはもう一度床を鞭で叩き、威嚇。
部屋が特別狭いわけではないが、サムスは近くに立っているのでほぼ動けない。
「お前みたいな女相手に欲情するかよ!」
「へぇ……?」
サムスは持ち手を右手で、革紐を左手で持ってピンと張ると、にこりと笑って。
「ルール変更。……二メートル以内」
「は」
次の瞬間、サムスは駆け出す。
「ちょ、待っ……ぎゃああぁあ!? やめろぉおおおっ!」
マリオの夏、終了。