第二章



「何で俺……こいつと一緒なんだ……?」

トゥーンは段ボールに入った荷物を片付けながら、後ろにいる人物を見遣る。

「これも青春だ!」

視線に気付き、腰に手を当て清々しくそう告げるのはファルコン。どうやらトゥーン、彼と同室になってしまったらしい。

「俺の青春の六割が崩壊したよ」
「むっ、残りの四割とは?」

するとトゥーンは顔を背けながら。

「そっそりゃあピチカの水着とか、浴衣とか……って何言わすんだよ! 阿呆!」

自分で言っておきながらトゥーンは顔を赤らめ、その辺にあった枕を投げ付ける。

「枕投げか! 若いな!」
「うっせ! 俺の青春の六割返せ!」

ファルコンは少し考えて。

「ふむ。六割、とまではいかないが……」

何の躊躇もなく、ヘルメットを外して。

「これでいかがかな?」

トゥーン、暫く沈黙して。

「……十分っす」

許した。
 
 
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