第二章
「この段ボールもなかなかだ」
荷物を取り出すのも忘れて、部屋に並べられた段ボールにうっとりするスネーク。
すると、同室であるゲムヲがスネークの元へ歩み寄り、ちょんと指でつついて。
「ん?」
『段ボール、欲しいなら全部あげる』
ゲムヲは文章を書いた画用紙をスネークに見せると、既に自分の荷物を運び出して空っぽになった段ボールを指差して。
「おお! 気が利くじゃないか!」
これで段ボールは結構な数になる。
スネークは嬉しそうにゲムヲの背中を叩いて。ふと、ゲムヲの画用紙を見て。
「いつも思うんだが……モールス信号にしたらどうだ? 肝心な個人情報まで書いていたら、いざ盗まれるとまずいだろう」
ゲムヲはきょとんと小首を傾げて。
「子供には難しいか……ちょっと貸してくれ。段ボールのお礼だ。教えてやろう」
スネークはその場に胡座をかいて画用紙とペンを受け取るも、その手は止まって。
「子供……、あんたいくつだ?」
その疑問に、ゲムヲは再び小首を傾げた。