第二章



「……よし」

最後の一枚を扉に貼り終えて、ルーティは扉から離れると階段を駆け下り、外へ。

「おまたせっ!」

ルーティが別荘から出てくる頃には、全員綺麗に並んでいて。不自然、とはいってもこれからの一週間に当たって、注意事項も説明しなくてはならない。

これは寧ろ好都合なのである。

「えーと。まずは皆さん、暑い中ご苦労様です。まあ、典型的な校長みたいな真似はしたくないんで、戯言は省略」

ルーティが頬を人差し指で掻きながら説明すると、一部がくすくすと笑って。

「はいっ」

ルーティが手を叩くと、辺りは静まり。

「アクエスで一週間過ごすに当たって、皆に守ってほしいことがあります。それは」

ルーティはひと呼吸置いて。

「特殊能力を使わないこと……特に一般市民の前では、何か事件に巻き込まれない限りは一般人らしく振る舞うこと!」
 
 
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