第二章
「あっ」
不意にネスが立ち止まり、声を上げる。
海沿いの道を外れて歩くこと五分、草花のアーチを潜った小道の先に、目的の別荘は静かに佇んでいた。
見た目はエックス邸と似ているが、白をベースにしたこの別荘は何処か涼しげだ。
「着いたみたいだな」
ぽつりとウルフが呟くと、ルーティは我先にと別荘へ駆け出して。もちろん、一番乗りを狙っているわけではない。
「皆! ちょっと待ってて!」
ルーティの手には幾つかの紙が。
……そう。ルーティは部屋割りの番号が記された紙を、扉に貼りに向かったのだ。
「リンク、ちょっと」
「はい?」
その隙にピーチがリンクに耳打ち。
ところが、こそこそ話のはずなのにルーティ以外の全員が身を寄せ合い、何やら作戦会議。当然、ルーティは知るよしもなく。