第二章
見れば、マリオは何故かニヤニヤしている。恐らくは女性と同室になれる可能性に、心を浮つかせているのだろう。
「俺は今日ほど、お前の身勝手な行動っぷりに感謝したことはないぞ……!」
マリオはぐっと拳を握り締めて。
――というか、今までの行動はそんなに身勝手だったろうか。ルーティは引き攣った笑みを浮かべながらも、内心反省して。
「ならばっ!」
マリオはばっと右手を振り上げて。
「この手に命を懸けて!」
今一度、拳を強く握り締め。
「神よ! 我に力を授け」
「早くしてよ兄さん」
一人騒がしいマリオに見兼ねて、立ち上がったルイージがマリオの頭をハリセンで叩いて突っ込む。……さすが弟。
こんな調子で申し訳ないが、誰一人文句を言うことなく、くじ引きは終了した。