第二章
――ルーティが今手に持っている四角い小型の箱の中には、数字が記された人数分の紙切れが入っている。
もちろん、空いてある穴に手を突っ込んで、そこから紙切れを取り出す仕組み。
そう、これは部屋割りのくじ引きなのだ。
「ルーティ」
一番前の席に座っていたマリオは立ち上がると、他の者の視線を感じながら耳打ち。
「これって、男と女は分けてるのか?」
「……あっ」
肝心なことを忘れていた。
まあ、これだけ仲が良いのだからさして問題はないだろう、とルーティは苦笑。
「ちょっと!」
同じく前の席に座っていたピーチは、話を聞いて腰に手を当て、立ち上がり。
「一部屋にベッドは一つだけなのよ!?」
一瞬、辺りがざわついた。
ルーティが不思議そうにしていると、唐突にマリオはルーティの両肩を掴んで。
「……ルーティ」
「えっ」
「でかした」