第二章
ルーティはそれほど、環境云々に詳しくはない。だが、……悔しいが、自分の故郷よりこの島が美しいことは確かだった。
「おにぃ! バスが行っちゃうよ!」
ピチカに呼ばれて、ルーティは「はいはい」と笑うとピチカの元へ駆け出し。
ちなみに、別荘に送られた荷物はそれぞれ段ボールに詰めてあるのだそう。整理整頓も踏まえると、遊べるのは明日からか。
事は転々と運び、バスの中。
――実はルーティ、別荘は殆どエックス邸と同じ造りなのだと聞かされて、この日の為にある物を作ってきていたのだった。
「って、また勝手に」
「あはは……」
それを発表すると、リンクは何も言わずに色々と実行に移すルーティに、小さく溜め息を洩らして。ルーティは苦笑しながら。
「それじゃあ早速」
ルーティは座っていた席を立ち、四角い小型の箱を手に運転席の近くに立つと。
「前の席の人から順番にお願いしますっ」